怒る と 叱る の違い
“ 怒る ”ことと“ 叱る ”ことは違うのですが、
なかなかこの二つの線引きは難しいですよね。
そして、子どもと関わる中で、この線引きが曖昧だと、
怒りをぶつけてしまい、子どもの心を傷つけることになるかもしれないので、
ここはやはり自分の感情を把握しておきたいものです。
“ 怒る ”というのは、
何らかの理由で不快感を感じ、その感情をそのまま表現することですよね。
“ 叱る ”というのは、子どもを考えの中心におき、生きていくために
大切なルールを伝える、そしてまた、身を守る・危険から遠ざけるために
必要なことを説明すること、なのだと思います。
叱るというよりは、説明する、伝える、ということなのでしょうね。
しかし、親も人間なので怒りの感情が
ストレートに出てしまうこともあると思います。
そんなときは、冷静になってから、
”子どもに謝る”(さっきは怒りすぎたね、ごめんね、など)
ことができれば子どもは安心し、失敗してもいいんだ、
謝ることで関係が修復されることもあるんだ、
ということを学習できるそうです。
お友達との関係などでも活かすことができますよね。
“ 怒られるから ”と親の顔色を見ながら行動したり、
怒りそのものに怯えてしまい感情や行動を抑圧してしまうこともなくなります。
それともうひとつ、専門家の方に教わったのですが、
◆“ 命令や指示 ”でなく“ お願いする ”ということ。
「〜しなさい」は“ 命令・指示 ”
「〜してほしい」が“ お願い ”
指示や命令ばかりで動いていると、
本人のやる気、 自己決定能力が育たないそうなんです。
指示されないとどうしていいかわからないのは困りますよね。
◆“ 否定 ”でなく“ 気持ちを伝える ”
「ダメ」 は 「否定」
「やめて」 は 「気持ち」
この“ ダメ ”は言ってしまいがちなのですが、
こればかりだと自分を否定してしまうそうなんです。
自信をなくして親の顔色をうかがうようになってしまうんですね。
◆人格否定に繋がる言葉
「悪いことばかりして」
「悪いことするからでしょ」
“ 悪いこと ”と言ってしまうと、感情まで否定されたと感じるそうです。
言われ続けると子どもは
「自分は悪いことをしてしまう人間なんだ」
という自己否定感を持つようになるそうです。
親の思う“ 悪いこと ”の定義が、
◆してはいけないこと(社会のルール)
◆親がされたら困ること(例:家事ができない、用事が増える、
イライラしていたり、疲れているのでうるさく感じる)
これらのどちらなのか、で分ける必要がありますね。
なので、「してはいけない」ことなら、
「したい」という 気持ちは感じてもいいので、
行動に移すことがいけない、と説明するんですね。
「悪いこと」と言ってしまうと
感情まで「悪い」と思ってしまうので、感情が抑圧されてしまうんです。
気持ちは受けとめ、
「こうしたかったんだね」、
「でも〜こういう理由でしてはいけないことなんだよ」
と言うようにしていきたいですね。
そうすれば子どもは罪悪感を持たずにすみます。
また、“ 親が困ること ”の場合は
「自分が今こういう状態だから、したくない、できない」
というふうに気持ちを説明してあげるといいそうです。
大人が自分の感情を把握できていないと、
子どもは混乱し、自己否定が積み重なり、やる気がなくなったり、
感情を抑圧し欲求を膨れ上がらせ、爆発するという
結果を招く原因になることもあるそうですから、自分の感情について考え、
線引きをして 適切に行動していくことが必要で、 それができていれば、
子どもも持って生まれた才能を発揮しながら成長できるんですね。
それと、子どもは1〜2回言ったくらいでは
すぐに次から行動に移すことはできないので、
その都度言うことで徐々に覚えていくそうです。(大人でもそうですよね)
なので、「すぐにできなくて当たり前」と思っていると言うほうもラクですよね。
「何回言ったらわかるの?!」と思ってウンザリするのは、
最初からこちらが期待し過ぎているのかもしれません。
子どもはそういうものだ、と思うほうが気持ちがラクになると思います。
もちろん、とっさの危険な場合には、
その時に応じて判断することも必要ですよね。
冷静になってから状況を説明することもできます。
何よりも子どもの命が最優先ですものね。