親の願い
“ あなたは大切な存在 ”
“ あなたが大好きだよ ”
そんなふうに愛情を表す言葉を子どもに伝えることは
とても素晴らしいことだと思います。
しかしその言葉と親の態度が一致していないと、
親子の信頼関係が築けなくなってしまうんですね。
いくら「あなたが大切だから、あなたのためだから」
と言っていても、そしてそれを受ける本人でさえ、
「自分のことを思ってしてくれているのだ」と思っていても、
“ 本当にそれが子どもの心を育む上で大切なことなのか ”
は考えないといけないようです。
親の価値観を押し付けていたり、子どもを自分の思い通りに、
理想どおりにしようとしているのではないだろうか、と。
“ こうあるべき ”という理想の子ども像に、
子どもを当てはめようとしていないだろうか、と。
あなたのため、あなたが大切だから、と言いながら、
自分の理想どおりに子どもを変えようとしてしまうと、
子どもは窮屈になり、追いつめられていくので、
“ 本当に自分のことを思っているのだろうか? ”
という「不信感」を抱いたり、
親の思いどおりになれない自分を
“ なぜ自分は期待に応えられないのだろう ”
と責めてしまったりしてしっまうんですね。
”ありのままの自分”に自信が持てなくなるんです。
そんなふうに、親に不信感を抱いたり、自分を責めて
自分自身を信頼できなくなると、人を信頼できなくなります。
基本的な安心・自信・自由が奪われます。
これは社会に出たときとても困ってしまいます。
猜疑心が強いのは本人も辛いんですよね。
親が「してやりたい」と思うこと、
「こうすることが子どものため」と思うことが、
「本当にその子の心を健全に育むために適切な対応」
かどうかは考えておきたいですね。
子どもは親を信用できないと判断すると、
言う事、言わない事を分けて話すようになります。
大人でも、本心は信頼できる人・安心できる人にしか話せないですよね。
同じことなんですね。
子どもの信頼感・安心感を大切に育むために、
“ 本当にその子にとってそれが必要なのかどうか ”
親の願いについても考えておきたいですね。