自分を守るための基本
他者に怒りをぶつけられても
自分の問題として背負わない能力はとても大切です。
例えば、子どもが家庭外(学校や園など)で
「適切でない行動を叱る」のではなく、
「単に怒り/ストレスをぶつける」という
言動に遭遇することもあると思います。
「怒りをぶつけてしまう人」はいますよね。
でも、「他者は変えられない」ので、
その「ぶつけられる怒り」にどう対処するかで、
自分がストレスを感じずに、
または自分が悪いという自己否定感を
感じずに済むことがあります。
なので、この「他者の怒りを背負わない能力」
を伸ばすお手伝いをすることも
とても大切なんですね。
子どもの成長とともに、学校など
親の目の届かない場面も出てきます。
でも、そういう力が子どもにあると、
少しでも安心ですよね。
そのためにはまず、
生活のメインである家庭で、日頃から親が
「子どもがしてはいけないことをした」
のはもちろんですが、
「子どもが親のして欲しくないことをしたとき」、
(親がイライラを感じているときなど)
YOUメッセージで
「あなたが〜〜したからでしょ」や、
「だから言ったでしょ」、
「悪いことをするからでしょ」と
いうふうに言ってしまうと、子どもは
「あなたの“せい”(責任)である」
というメッセージを受け取って、
「自分が悪い」という
“評価”が刷り込まれていくんですね。
これが日常化していくと、子どもは(人は)、
「怒られるのは自分のせい(責任)である、
自分が悪いのだ」
という考え方になってしまうようです。
自分を責める脳の回路ができてしまうんですね。
また、そのように怒られたり、
責められるのは誰でもいやなので
「怒られるかもしれない」から自発的に行動できない、
「責められるかもしれない」から
自分に起きたことを言えない
「怒られたくない」から本心も言わない、となります。
これは「自分を守る」ための当然の心理なんですね。
ここで更に「どうして言わなかったの?など
「言わない」「しない」ことを責めたら
余計に萎縮してしまいます。
そして、他者がストレスをぶつけるために
「怒っている」のだとしても
「自分のせいではないか?自分が悪いのか?」と
「怒られている」と受けとるようになっていきます。
なので、やはり親は、
「してはいけないことを説明する」ことと、
「ストレスでイライラしている」ことを
分ける必要があるんですね。
ストレスを感じることは悪いことではないので、
「イライラしてたな〜」と思えば、
「さっきはごめんね、
ちょっとイライラして言いすぎたね。
○○ちゃんは何も悪くないからね。」
とフォローすれば子どもにも解りやすく、
自分を責めずに済むんですね。
YOUメッセージで責められてない子どもは、
例えば誰かがイライラしてそれをぶつけたとしても、
『“自分が怒られている”』のではなく、
『ああ、“この人、怒ってる”んだな』と、
自分が巻き込まれず、自分を責めずに済みます。
そして、「怒りをぶつけてくる人」という
判断ができれば
その人から逃げる・離れる、
という選択もでき、
大人に気持ちや出来事を
そのまま伝えることもできるので、
危険回避ための
さまざまな手段を持てるんですね。
家庭での日頃の子どもとの関わりで、
子どもが自分で自分を守る能力が伸びるか
抑圧されるかも変わってくるので、親は、
適切な関わり方のスキルを持っていたいですね。